婦人科は女性の総合診療科です
女性の体内では、いつもホルモンバランスの変化が起こっており、それが体や心の状態に少なからぬ影響を及ぼしています。なかでも、生理、妊娠・出産、更年期(年齢)などは、大きな変化をもたらします。こうした変化の過程で起こってくる症状や病気を中心に診断・治療するのが婦人科であり、月経異常、不正出血、月経前の体調不良、下腹部の不快感・痛み、外陰部の痛み・痒み、おりもの(帯下)の異常、排尿トラブル、性感染症、乳房の異常、更年期症状など、女性特有の症状を診療します。
診察のうえ、必要な場合には、しかるべき専門医療機関をご紹介いたします。
また婦人科は、女性の病気の交通整理役も果たしており、言わば「女性総合診療科」とも称すべきトータルな女性医療の場でもあります。
気になる症状がございましたら、躊躇すること無く、何でもお気軽にご相談ください。
こんな症状が現れたら早めにご受診ください
月経異常
- 周期や持続期間、出血量がいつもと大きく異なる。
- ひどい月経痛などの症状が見られる。
- 月経前や月経時に心身にわたる不快症状が現れる。
- 定期的にあった月経が、突然無くなった。
- 思春期になっても初経が来ない。
不正出血
- 周期的な月経以外に、性器からの出血がみられる。
※診断にあたっては、「基礎体温表」が大きな手がかりとなりますので、日頃から基礎体温表をつけるようにすると良いでしょう。
おりものの異常
- 色や臭い、量がいつもと異なる(正常なおりものは無色透明ないしはクリーム色で、ほぼ無臭です)。
外陰部の異常
- 痒み、赤い腫れ、ただれ、痛み、しこり、悪臭がある。
乳房の異常
- しこりを触れる。
- 痛みがある。
- 皮膚にひきつれや窪みがある。
- 乳頭が凹んだり、黒ずんだり、ただれたりしている。
腹痛
※女性の場合は、胃腸などの消化器系疾患に限らず、子宮や卵管、卵巣などの疾患によって腹痛が起こるケースもあります。
更年期症状
- 月経異常やのぼせ、ほてり、性器の萎縮、肌や髪につやが無いなどの身体症状がある。
- 憂うつ、不安、イライラ、不眠などの精神症状がある。
受診にあたって
- 初診、および月初めの受診の際は、必ず健康保険証(コピー不可)をお持ちください。
- 就・転職などにより、ご加入なさっている健康保険が変わった際は、新しい健康保険証を受付にご提示ください。
- 住所や電話番号など、健康保険証の内容に変更が入った場合は、受付にお知らせください。
- 受給者証(老人・乳児・身障医療等)をお持ちの方は、健康保険証と一緒にお出しください。
- 再診以降、診察券は受診の都度、ご持参ください。
- 他の医療機関で薬を処方されている場合は、お薬手帳かその薬自体をご持参ください。
- 妊娠中、および妊娠の可能性がある方は、必ずお申し出ください。
- 高熱やひどい下痢、嘔吐などの強い症状がある場合は、受付にお申し出ください。
- いつ頃から、どんな症状が現れているのか、また既往歴(今までにかかった病気)についてもお教えいただくと、診察がスムーズに進みます。
- 受診の際は、できるだけ上下に分かれた服装でお越しください(ワンピースやボディスーツですと、診療の妨げなる場合があります)。ネックレスやイヤリングなどの装飾品も、外していらしてください。
- 当院は、個人情報の取り扱いには、スタッフ一同、細心の注意を払っておりますので、安心してご受診ください。
更年期障害とは
女性は30代後半から女性ホルモン(エストロゲン)の量が徐々に減少してきます。そして大体50歳前後(日本人女性の平均は50.5歳)で閉経を迎えますが、閉経を挟んだ45~55歳頃までの約10年間を一般に更年期と呼びます(※個人差があります)。
更年期には、女性ホルモンの分泌量が急激に減少してくるため、体がその変化に対応し切れずに、多様な変調を招きがちです。
不調症状には個人差が大きく、その程度が非常に強い方から全く感じない方まで様々ですが、日常生活に差し支える症状が現れた場合を一般に更年期障害と呼んでいます。
更年期障害の症状
更年期障害では、よく月経異常やほてり、のぼせ、だるさ、うつ、不安、不眠など心身にわたる症状が引き起こされます。また肌や髪のつやが無くなったり、性器の萎縮が起こってきたりもします。分泌液も少なくなり、性交痛を覚える方もおられます。そのためパートナーとの性交渉がうまくいかなくなり、悩んでしまうケースもよく見られます。
更年期にうつなどの精神症状を訴える方も、少なくありません。また、この更年期うつに隠れて、あるいはそれが呼び水となって、本格的なうつ病が発症することもあります。
一方、更年期には多種多様な不調が現れるため、別の病気が隠れていても、更年期のせいに違いないと思い込み、本当の疾患を見逃してしまうこともあります。糖尿病、高血圧、心疾患、貧血、甲状腺疾患、悪性腫瘍、うつ病などが潜んでいる可能性もありますので、とにかく早めに専門医にご相談なさるよう、お勧めいたします。
*プレ更年期:更年期の少し前(30代後半~40代半ば)の時期に、更年期と同様の症状が起こるケースです。卵巣機能の低下よりも、むしろストレスによる自律神経バランスの乱れが大きく関与していると言われます。
子宮がん検診
子宮がん検診には、子宮頸がん、子宮体がん検診の二つがあります。
子宮がんについても定期的に検診を受け、早期発見・早期治療をすることが大切です。
子宮頸がん
子宮下部にあたる子宮頸部と呼ばれる部位から発生するがんです。子宮の入り口付近に発生することが多いので、観察や検査がしやすく、発見されやすいがんと言えます。
そして早期のうちに見つければ比較的治療しやすいため、良い経過をたどることが多くなります。しかし進行すると治療が難しくなるため、やはり早期発見が重要になります。
子宮頸がんの発生には、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が少なからず関連しています。HPVは、性交渉で感染すると言われるウイルスです。子宮頸がんの患者さんの90%以上からHPVが検出されることが知られています。
ただ、HPV感染そのものは稀ではなく、感染しても、多くの場合は無症状のうちに排除されるようです。HPVが排除されずに感染が持続すると、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。
また、喫煙も、子宮頸がんの危険因子であることがわかっています。
子宮頸がんの症状
初期には、ほとんど症状がありません*。異形成といって、がん細胞になる前の状態を経てがん化することが知られており、がん細胞に進行する前に、正常でない細胞(異形細胞)の状態を“細胞診”という検査で見つけることができます。つまり、無症状の時点から、婦人科の診察や検診などで発見することが可能なのです。
*例外的に、性交時にわずかながら出血の見られることがあります。これは初期症状として重要ですので、もしも出血を見たような場合は、婦人科で診察を受けましょう。
子宮体がん
子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、子宮の内側にあり、卵巣から分泌される卵胞ホルモンの作用を受けて月経を起こす子宮内膜という組織から発生するがんです。発生の仕方には、タイプ1とタイプ2の2つのタイプがあると言われています。
タイプ1の体がんは子宮内膜増殖症という前がん病変を伴い、徐々にがんができてきます。全体の約90%を占め、比較的若い40~50歳代に多いがんです。
タイプ2の体がんは正常な子宮内膜から一気にがんができるタイプで、高齢者に多いがんです。罹患率は女性人口10万人に対して約7.5人です。年々増加してきており、日本でも将来は欧米と同じように、頸がんよりも体がんが多くなると推測されています。
子宮体がんの症状
自覚症状としていちばん多く見られるのは、不正出血です。
子宮頸がんに比べ、子宮体がんになる年代は比較的高いので、閉経後あるいは更年期に不正出血が見られた際には、要注意です。
閉経前であっても、月経不順、乳がんを患ったことがあるなどの場合は、やはり気をつけましょう。
*超音波検査:体内に超音波を送り、はね返ってくる反射波(エコー)をとらえて画像化し、体内の情報を調べる検査法です。子宮がん検診では細長い超音波検査具(プローブ)を腟内に挿入し、子宮内や卵巣の様子を映像で至近距離から見ることができます。体への負担が少なく、婦人科では日常的に行われる検査です。
卵巣がん検診
卵巣がん
卵巣にできる「しこり」を総称して卵巣腫瘍と呼びます。卵巣自体はとても小さな臓器ですが、ここには単純にお水が溜まったような「のう腫」から、悪性の「がん」に至るまで、いろいろな種類の腫瘍が発生します。そしてこれらは、あらゆる年齢の女性に発生する可能性を持ち、比率的には、全体の約80%はのう腫などの良性腫瘍で、残りの20%程度が悪性腫瘍で占められると考えられています。
卵巣がんの症状
小さいうちはほとんど無症状に経過します。したがって、この時期はまったく気づかれずに、たまたま受けた子宮がん検診で見出されるケースも少なくありません。大きさを増すとともに、下腹部の腫瘤(しこり)として自覚されるようになり、これが婦人科を受診する直接のきっかけになる方も多いようです。
卵巣がんの診断
まずは、内診とエコー検査を行って内性器の様子を観察します。その結果、腫瘤の存在が認められたなら、良性・悪性を区別する目的で、CT、MRI*(画像診断)をはじめ、腫瘍マーカー検査(採血検査)を実施して、詳しく調べます。
*当院では、X線CT、MRI診断は行っておりませんが、必要に応じて受診可能な病院をご紹介させていただき、そちらで検査をお受けいただきます。検査後は、当院にて診療いたしますので、ご安心ください。
婦人科検診
内診で子宮の片側もしくは両側に、子宮本体とは明らかに違ったしこり(腫瘤)として触れます。ただ、腫瘤があまりにも大きかったり、腹水が多量に溜まっていたりすると、卵巣、子宮のどちらのものか判別困難なこともあり、これらには、画像検査による所見が重要な診断材料となります。
腫瘍マーカー検査(血液検査)
腫瘍マーカーとは、腫瘍特異抗原、または腫瘍関連物質と呼ばれるもので、卵巣腫瘍では血液中のCA125、CA19-9、CEA値などを計測します。一般に悪性腫瘍では数値が上昇し、がんの補助診断法としてよく用いられる検査で、通常の採血で容易に測定結果が得られます。
おりもの検査
おりもの
おりものとは、「女性生殖器から体外へ排出された分泌物」のことです。おりものは生理現象の一つであり、女性ホルモンが正常に働いている証拠です。
おりものは単なる排泄物ではなく、腟や子宮、卵巣などを病原体から守ってくれているのです。ですので、過剰に腟洗浄を行うと、このような自浄作用を乱し、炎症を起こす元になりますので、注意しましょう。
おりものからわかる病気
おりものは生理的なものがほとんどなので、量や色、においに神経質になる必要はありません。とは言え、まったく気にしないのも、異常サインを見逃すことになります。
正常なおりものは、無臭で透明に近い乳白色です(下着に付くと、薄い黄褐色に変化することもあります)。量は排卵期に増え、月経前までに次第に減少します。性的興奮でも、腟内の自浄作用が一時的に高まるため、増加します。
おりものに異常があると、色や量、におい、性状などに変化が起こります。通常とは違ったおりものが見られたら、早めに検査をお受けください。検査自体は綿棒でおりものを採取するだけなので、痛みもなくわずかな時間で終わります(培養検査の結果が出るまでには、通常は数日~1週間程度かかります)。
こんなおりものはご相談ください
- 量の多いおりものが続く
- 膿のようだったり、おりものの状態(におい、色など)が異常である
- おりものに、生理の時のような血が混じっている
- 外陰部に痒みや熱感、ただれ感、痛み、悪臭がある など
おりものの異常から疑われる病気
- 淋病などの性感染症
- クラミジア頸管炎
- 細菌性腟炎
- カンジダ腟炎
- トリコモナス腟炎
- 子宮頸管ポリープ
- 子宮がん など
性感染症検査
性感染症
性感染症(STD)とは、性的接触(性交やオーラルセックスなど)を介して感染していく疾患の総称であり、個々の疾患には様々なものが知られています。
クラミジア感染症
病原体はクラミジアトラコマティスで、性行為における粘膜同士の接触によって感染します。潜伏期間は、1~3週間です。症状としては、男性では排尿時痛や尿道掻痒感が生じますが、女性では症状が軽く、無症状なことも少なくありません。
性器ヘルペス感染症
病原体はヘルペスウイルスで、性行為による皮膚・粘膜病変部との接触によって感染します。潜伏期間は2~10日です。症状としては、性器の痒み、不快感の後、水泡、びらんが生じます。
梅毒
病原体は梅毒トレポネーマで、性行為による皮膚・粘膜病変部との接触により感染します。潜伏期間は、3週間程度です。症状としては、感染部位(性器、口など)に赤色の硬いしこりやただれができ、近くのリンパ節が腫れます(第1期)。
その後、3~12週間くらいの間に、発熱、全身倦怠感などの全身症状とともに、皮膚に様々なタイプの発疹が現れ(第2期)、さらに10~30年の間に心臓や血管、脳が冒されます(第3、4期)。
母体の感染により、出生児が先天梅毒になることがあります。
淋病
病原体は淋菌で、性行為による粘膜接触で感染します。潜伏期間は2~7日です。症状としては、女性ではおりものや不正出血が見られるか、あるいは症状が軽く、気づかないことも少なくありません。
放置すると不妊の原因になることがあるほか、感染した母体から出産した新生児が淋菌性結膜炎になることがあります。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、性器に発生する一種の「いぼ」です。病原体はヒトパピローマウイルス(多くは6型か11型。子宮頸がんを発症しやすいのは16型、18型)で、主に性行為による皮膚・粘膜病変部との接触で感染します。潜伏期間は3週間~8ヶ月(平均約3ヶ月)です。このウイルスに感染していながら症状が出ないことも多いようです。
症状としては、腟入口部、大・小陰唇、会陰、肛門などに、先のとがった鶏冠様の腫瘤が生じます。子宮の入口や腟壁にできることもあります。痛みなどはほとんど無く、せいぜい痒みや軽い異物感程度のものです。
ケジラミ症
病原体はケジラミです。性的接触による陰股部、陰毛との直接接触による感染が多いのですが、衣類・寝具などを介する間接的感染もあります。潜伏期は不定ですが、1~2ヶ月が多いようです。症状としては寄生部位(主に陰股部)の強い痒みです。
性感染症が疑われる症状
次のような症状がある場合は、性感染症が疑われますので、早めにご相談ください。
- おりものの量が増えた
- 性器の痒みがある
- 性器のにおいが気になる
- 外陰部に痛みがある など
子宮筋腫・子宮内膜症
子宮筋腫
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍(こぶ)のことを子宮筋腫と言います。
子宮筋腫は良性ですから、それ自体が生命を脅かすようなものではありません。
こぶの大きさは、小指の先ほどの小さなものから、赤ちゃんの頭ほどもある巨大なものまで、千差万別です。いくつも生じることも、少なくありません。
子宮筋腫の症状と治療
代表的な症状は月経困難症と月経痛、過多月経で、出血量が多いために貧血になる場合もありますが、場所によっては、まったく無症状なケースもあります。
治療法には手術療法と薬物療法がありますが、発生した場所や症状によって、治療法はそれぞれ異なってきます。
子宮内膜症
本来、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、なんらかの原因で、子宮内膜以外の場所(卵巣、卵管、子宮周囲の腹膜、時には子宮から遠く離れた肺など)で増殖し、月経のたびに出血を繰り返す病気です。
原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に到達して増殖するという説が有力視されています。子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮腺筋腫などは、鑑別を必要とする疾患の代表です。月経異常などが見られたら、しっかり原因を見つけてもらうことが大切です。
子宮内膜症の症状と治療
代表的な症状は、ひどい月経痛で、年齢とともに強くなっていくのが特徴です。一方、自覚症状が無く、内膜症と気づかない人もいます。
不正出血
不正出血とは
月経以外に、性器から出血することを不正出血と言います。
不正出血には主に二つの原因があり、一つはホルモン異常による出血で、もう一つの原因は、子宮や腟などの疾患による出血です。
ホルモン異常による出血
ホルモンバランスがくずれ、排卵していなかったり(無排卵性出血)、排卵するのに時間がかかってしまったりする場合(遅延排卵)など、排卵に異常があると、よくこのような出血が起こります。こうした出血の特徴は出血量が通常の月経より少なかったり、逆に多量の出血がぐずぐずと長い日数(10日以上)続いたりすることです。これを機能性出血と言います。
子宮や腟に出血の原因がある場合
子宮にポリープ、子宮筋腫、クラミジアによる炎症、子宮がんなどがあると、しばしば不正出血の原因となることがあります。このような出血は、いつもの月経以外に不正出血が頻繁に起こります。止血するには、出血の原因となっている疾患をきちんと治療する必要があります。
億劫がらずに受診を
上記のように、不正出血には主に2つの原因がありますが、これらの出血がそのどちらか、そして治療した方が良いかどうかなどは、実際に診察してみなければわかりません。逆に診察さえすれば、大体はすぐに診断がつき、また治療も難しくはありません。不正出血を繰り返すようなら、億劫がらずに受診なさることをお勧めいたします。
月経前緊張症(PMS)
月経前緊張症とは
月経前になると「イライラする」「気分が沈んでしまう」「乳房にハリや痛みが生じる」「顔や手足がむくむ」――こうした生理前の心と体のつらい症状は、月経前緊張症(PMS:Premenstrual Syndrome)と呼ばれます。
PMSによる不調症状は生理の数日~2週間前頃(基礎体温の高温相)から始まり、月経が始まると、ほとんどが嘘のように消えていきます。
女性の約8割が経験する
PMSは、女性の約8割が経験すると言われます。
しかし、日本における認知度は低く、症状を自覚していながら、それがこの疾患のせいだとは気付かずに、ひとり悩んでいる女性が少なくありません。また、周囲の人も、そのような女性を前にして戸惑うこともあるでしょう。
原因としては、生理に伴うホルモンバランスの大きな変動(特にプロゲステロンの大量分泌)によるとする説や、脳内神経伝達物質(セロトニン)が減少して精神状態が一時的に不安定になるとする説などがありますが、はっきりとは特定されていません。
性格的には、真面目で神経質な人がなりやすいと言われます。
PMSの主な症状
身体症状
- 頭痛
- 首や肩のこり
- 立ちくらみやめまい
- 乳房の痛みや張り
- 肌荒れ
- お腹の張り
- 下腹部の痛み
- 下肢のむくみ など
精神症状
- イライラ
- 憂うつ
- 不眠
- 抑うつ
- 集中力や判断力が低下する
- 怒りっぽくなる
- 思考がネガティブになる など
PMSの治療法
低用量ピルや鎮痛剤、利尿剤、精神症状が強い患者さんには抗不安薬や抗うつ薬などの薬物を用いた治療、また食生活や運動をはじめとした生活指導等の薬物によらない治療など、お一人お一人の状態に合わせた方法をご提案いたします。
骨粗しょう症
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症は、老化などが原因となって骨の量が減少し、鬆(す)が入ったように骨がスカスカになってもろくなり、骨折リスクが高くなってしまう疾患です。
骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量(骨密度)は、20~30歳頃の若年期をピークに、年を重ねるとともに減少していきます。
この骨密度が減少をきたすことによって骨粗しょう症と言われる状態になり、背骨が体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、ちょっとした転倒で骨折するといった事態を引き起こしがちになります。
頻尿、尿漏れ
頻尿(過活動膀胱)
過活動膀胱(OAB)は「トイレが近い(頻尿)」「急に我慢できないような尿意が起こる」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。
治療には、膀胱の収縮を抑える働きのある薬や、膀胱に尿を貯める容積を増やす薬による治療、および薬を使わない治療、すなわち膀胱訓練(トイレに行く間隔を延ばして、膀胱の容量を増やす訓練)や骨盤底筋体操(尿道を締める骨盤底筋の収縮力を高める訓練)などがあります。
尿漏れ
尿漏れ(尿失禁)には、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つのタイプがあります。
尿漏れでお悩みの方は、恥ずかしがらずに受診なさってください。
腹圧性尿失禁
女性の正常な体では、お腹に強い力(腹圧)がかかった場合、「骨盤底筋(こつばんていきん)」という筋肉が、膀胱と尿道を支えることで尿道が締まり、尿が漏れるのを防いでいます。腹圧性尿失禁では、この骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって(骨盤底筋の緩みは、前記の「頻尿」の原因にもなります)、尿道をうまく締められなくなり、尿漏れを起こす病気です(そもそも女性の尿道が3~4センチと短い上に、真っすぐな形状であることも影響しています)。
咳をする、くしゃみをする、笑う、走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする、重い物を持ち上げる、坂道や階段を昇り降りする――このような強い腹圧がかかるような動作をした時、尿が漏れてしまいます。40歳以上の女性の4割以上が経験していると言われます。
*当院にて骨盤底筋体操のDVDレンタルを行っております。ご希望の方は、受付へお申し出ください。
切迫性尿失禁
「トイレに行きたい」と思っても、間に合わずに漏らしてしまうタイプを切迫性尿失禁と言います。トイレのドアノブに手をかけた途端、またトイレで下着をおろしている時などに漏れてしまいます。
迫性尿失禁の原因
過活動膀胱(前記)と言って、膀胱が過敏になっている状態が切迫性尿失禁の原因です。
過活動膀胱は、「トイレが近い」「急に我慢できないような尿意が起こる」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができずに尿が漏れてしまうことがある」などの症状を呈する病気です。
座るだけで骨盤底筋群を鍛えてくれるソファもおすすめです。
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不妊相談(タイミング法・人工授精)
当院の不妊相談
「不妊症」とは、なんらかの治療をしないと、それ以降自然に妊娠する可能性がほとんど無い状態を言います。世界保健機関(WHO)では、不妊症を「1年間の不妊期間を持つ状態」と定義しています。
不妊症に対する治療法はいくつもあり、その原因によって、内容も変わってきます。
当院では、「タイミング法」および「人工授精」による不妊相談を行っております。
タイミング法
基礎体温表や超音波検査で排卵日を予測し、排卵日前後に夫婦生活を持つことによって妊娠を目指す治療法です。不妊治療と言うと、人工授精や体外受精などの高度な方法を思い浮かべがちですが、実はこの「タイミング法」こそが、最も多く行われているのです。タイミング法は、不妊検査で目立った原因が無い場合に行われます。
タイミング法による治療期間の目安
半年~1年くらいです。ご希望により2~3ヶ月であったり、1年半であったりします。ただし、不妊期間、年齢、性交回数、他院での治療経過、夫婦のご希望により、期間には差が生じてきます。
人工授精(AIH)
人工授精とは、洗浄した精子を子宮の中に送り込む治療法です。
タイミング法との相違点は、精子が腟に入るか、子宮に入るかというところです。精子が女性の体内に進入するプロセスは通常の性行為とは異なりますが、その後の受精と着床については自然な経過で妊娠が成立することを期待します。
避妊相談(通常ピル・緊急避妊ピル処方)
当院の避妊相談
当院では、避妊(通常ピル)、および緊急避妊(緊急避妊ピル)のご相談に応じ、そのための「ピル処方」をいたします。
低用量ピル(OC)
低用量ピルの効果
低用量ピルの避妊効果はほぼ100パーセントで、しかもとても安全です。
以前、低用量ピルの服用により、乳がんが増える可能性が指摘されていましたが、現在は否定されています。
それどころか、卵巣がんや子宮体がん、大腸がんのリスクを減少させる作用が知られています。さらには月経困難症、過多月経、子宮内膜症*1、不規則な月経周期などに対する治療効果も認められています。また、将来の妊娠に悪影響を及ぼすこともありません。よく耳にする体重増加に関する懸念も不要です。
ただし、まったく副作用が無いわけではありません。一番懸念されるのは血栓症*2のリスクです。しかし、当院では服用禁忌(服用してはいけない条件)に触れないかどうかをよく考慮しながら、慎重に処方しておりますので、ご安心ください。
*1子宮内膜症:子宮の内膜が、子宮以外の場所で増殖した状態。
*2:血栓症:血管内にできた血のかたまり(血栓)が突然、血管に詰まる疾患。
アフターピル(緊急避妊薬)
避妊をしないでセックスしてしまったとか、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こった、といった場合に、妊娠を防止する方法として“緊急避妊”があります。
その最も一般的な方法が、「アフターピル(緊急避妊薬)」と呼ばれる避妊薬の服用です。
アフターピルとは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を成分とした薬剤です。
無防備なセックスが行われた後、72時間以内に、しかもできるだけ速やかに所要量のピルを服用します。
また、アフターピルが本当に効いたかどうかは、服用後すぐにはわかりません。数日ないし数週間後に月経が来て、初めてわかるのです。
もし、予定月経が一週間以上遅れたり、心配なことが出てきたりしたら、早めにご相談ください。
アフターピルの安全性
アフターピルの安全性についてですが、世界中では、1970年代半ばから使用されて来ており、半世紀近い歴史があって、その安全性は確立されています。
ただし、低用量ピルと同様にアフターピルについても、やはり服用してはいけない人や慎重を要する人がいますので、少しでも不安な方は遠慮無くお尋ねください。
手術(母体保護法手術・日帰り手術可)
母体保護法手術(人工妊娠中絶手術)
母体保護法とは、母性の生命と健康を保護することを目的とし、不妊手術や人工妊娠中絶を認めた法のことです。
母体保護法指定医(不妊手術や人工妊娠中絶手術を実施する資格を持った医師)のいる当院では、妊娠の継続を希望なさらない方には、そのご相談に応じられます(状況によってはお受けできないケースもございます)。
診察
正常妊娠か否か、また妊娠週数の診断や検査、手術のご説明のため、前もってご来院ください。
中絶が可能な時期
妊娠5週~妊娠21週6日までです。妊娠6週~9週目までが、手術に適した時期と言われ、「日帰り手術」も可能です。6週以前は子宮口が開きにくいうえ子宮も小さいために手術が難しく、10週以降は胎児が大きくなるので手術は大がかりになります。
妊娠週数の数え方は、最後の生理が始まった日を0日として、0~6日までを0週、7~13日までを1週というように数えます。生理不順や偽の生理によって「ずれ」が生じることも少なくないため、最終的には超音波検査をして判断します。
その他の注意事項
- 手術に関しては、お相手の方の文書による同意が必要です。
- 定期的に服用している薬がある場合には、事前に必ず医師にお申し出ください。
- 診察終了後、手術のご注意書を差し上げますので、よくお読みください。
ブライダルチェック
妊娠や出産を考えている人が対象
ブライダルチェックとは、結婚前はもちろん、妊娠・出産を控えた全ての女性を対象とした婦人科検診です。初期症状に気づきにくい婦人科系疾患の早期発見に結び付きやすく、したがって早期の治療にもつながりやすいので、それが大きな利点です。
名称にある「ブライダル」という言葉から、よく結婚式前に行う検査と誤解されがちなのですが、結婚してからも、もちろん検査を受けることができます。
あくまでもブライダルチェックの対象は妊娠・出産を考えているあらゆる女性であり、年齢や結婚しているかどうかは関係ありません。